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はじめに
ここ最近、転職相談を受けていると「そういえばアドバイザリーとコンサルティングって何が違うの?」と聞かれることが増えてきました。そこで、私見をまとめておこうと思い、本記事を記載することとしました。
留意点として私はコンサルファームでの経験はなく、アドバイザリーファームの中でコンサルチックな案件を垣間見ただけの者ですので、その程度の私見ということをお含みおきください。
アドバイザリーは読んで字のごとく「アドバイス」を行う
アドバイザリーは、読んで字のごとく「アドバイス」を行う。そのため、ある程度の客観性、言い換えると顧客からの一定の距離感が求められる。会議室で言えば、顧客の横ではなくお誕生日席に座っているようなイメージがもっとも適切なイメージなのではないだろうか。
その性質から、クライアントとのミーティング頻度も、コンサルティングに比べると少ない特徴があり、最終的な成果物はPJ当初の想定から大きな乖離は見られないと想像される。
実際、私はFASで財務DDやバリュエーションのようなアドバイザリー業務を提供していますが、PJ開始時・中間報告・最終報告以外では会議設定がなされないケースが大半です。(もちろん、個々で適宜電話をすることもありますし、途中で会議設定がなされるケースもあります。また、FAやPMIでは多くのコミュニケーションを要します)
コンサルティングの語源は「共に座る」
詳しいことは不明だが、調べてみるとコンサル(consult)の語源は、「共に座る」にある。その語源の通り、コンサルタントの顧客との距離感は非常に近く、会議室で言うと、顧客の横(場合により前、場合により後ろ)に座っているイメージを抱く。
その距離感から、顧客と一緒に頭を悩ませながらPJを推進する特徴を持ち、会議頻度はアドバイザリーと比べると非常に多くなりがちであり、PJ中は情報収集→仮説構築→ミーティング→軌道修正→情報収集→仮説構築を高速で繰り返しながらベストを追い求めるイメージ。
上記のような特徴があることから、PJ完了時の成果物は、PJ開始時に想定していた成果物とはそれなりに乖離があるのではないかと邪推している。
Q. 結局どちらが難しいのか?- A.「私には」コンサルティングの方が難しい
どちらも業務経験・知識・コミュニケーション能力が求められる。しかし個人的に難しく感じるのはコンサルティング業務である。誰も正解が見えていない中で、仮説構築しながら情報収集を行い、それをクライアントとすり合わせながら正解らしきものの姿を浮かび上がらせるコンサルティング業務の手法は、私にとっては非常にタフな頭の使い方・PJ推進だと感じている。
もちろん、どちらが難しいのかは個々人による。アドバイザリー業務も、業務経験と高度な知識が求められる業務であり、そもそもの知識がない人間や常に自己研鑽できないという人間にはアドバイザリー業務は厳しいものになると思われる。(当然、コンサルティング業務でも業務経験と高度な知識は求められ、両者に優劣はない)
アドバイザリーとコンサルティングの同異点をまとめると
共通点
- 業務経験が求められる
- 業務関連知識が求められる
- それらを使いこなすコミュニケーション能力が求められる
相違点
- アドバイザリー業務においてはクライアントと一定の距離感がある一方で、コンサルティング業務においてはクライアントとひざを突き合わせる距離感での業務推進となりやすい
- クライアントとの距離感の違いから、会議頻度はコンサルティング業務の方が高い
- 最終的な成果物が当初想定していた成果物から大きく乖離しにくいのはアドバイザリー業務
おわりに
いかがでしたでしょうか。アドバイザリー業務とコンサルティング業務については明確な違いはなく、また昨今の経済社会の複雑化により両社の違いは曖昧になっているものと思います。
それでもなんとなくの違いが気になる方に向けて、それなりの私見を提示できたような気がしています。なお、私自身にとってはコンサルティング業務の方が難しいと記載していますが、両者に優劣はありません。どちらもクライアントのために邁進する立派な仕事だと思っています(←すべての仕事がそうか)。
上記の内容をTwitterでつぶやいた際、「たしかに!!」と感じたリプライがあったので、下記にリンクを貼っておきます↓「コンサルティング業務は意思決定プロセスを進めるのが大事」
確かにコンサルのmtgはかなり多い傾向です。お客さんとのMTGが毎日複数入り、毎回異なるテーマ(企画、法務、不動産、財務等)の問題特定、解決方法、ネクストステップをmtgで決めて高速で意思決定プロセスを進めるサポートしてました。この意思決定プロセスを進めるってのがコンサルは大事なのかなと
— CPA/Akira (@Sunsun_jack) February 8, 2023
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